フィラリア予防と猫~さいたま市岩槻区周辺での発症報告あります~、と題したとおり、ネコのフィラリアについて記載します。
(→関連記事へはこちらから)
・犬と同じく予防しましょう
・当院でねこのフィラリア感染治療を経験してます
・急死する可能性が高いです
伝えたいことを端的に言うとこのようになります。
地域によっては予防の必要はないと言う動物病院もあるでしょう。
少なからず、経験から私は予防を推奨します。
そして近年の疫学調査からの客観評価も推奨できるものとなっています。
以下の内容にて追記していきます。
1.フィラリアって何?
2.症状は?
3.治療は?
4.予防は?
5.検査は?
6.当院での話
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1.フィラリアって何?
犬糸状虫とも言います。
フィラリアは蚊が運んでくる寄生虫です。
心臓や肺への血管に寄生します。
10cmくらいの素麺みたいな虫に最終的に成長します。
蚊の中にいるときはミクロフィラリアと呼び、フィラリアの仔虫になります。
蚊の中にいる程度の大きさの仔虫が、10cmくらいの親虫に育ち、その過程でいろいろと悪さをする病気です。
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2.症状は?
咳(猫喘息と間違われることもある)
突然死(犬のフィラリア症と違うところ)
呼吸困難
食欲不振
元気低下
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3.治療は?
発症すると確実に治せる治療はありません。
犬と違い突然死をおこすことがあります。
突然死ですので、治療するいとまを与えられないのが、猫のフィラリア症の厄介なところです。(犬のフィラリア症はなんとかなる)
治療できるタイミングの時は、咳など症状に合わせた対処療法で治まってくれるのをまちます。
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4.予防は?
犬と同じく予防が一番確実です。
最近では安全で、投与しやすい『猫専用』の薬が出ています。
自分の家の猫なら迷わず使います!
当院での発症例では、室内飼いの猫ばかりです。
(外へ行くネコさんは病院に来るタイミングが無いのかもしれません)
決め手になる治療が無い病気は、予防を積極的に考えるのが妥当と考えます。
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5.検査は?
血液検査が簡単で感度がいいと思われます。
フィラリアに対してネコの免疫が働いて感染を防いだかどうかを調べる検査(抗体検査)と、
フィラリア自体がいるかどうかの検査(抗原検査)が血液でできます。
ほか、超音波(エコー)検査やレントゲンがありますが、病態からは第一選択ではないと感じます。
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6.当院での話
ネコのフィラリア症が数件あります。
1件は稀有ですが、心臓エコーでフィラリア自体が映ったケースです。
なので確実にフィラリア症で確定です。
なんだかんだで治ってくれはしました。
他は急な呼吸困難にて亡くなっています。
急なため検査は出来ていません。
他疾患と状況からの鑑別にて、フィラリア症と仮診断になっています。
開業してから年一件はフィラリア症を発症している犬が来ます。
フィラリアに感染しているのみで無症状の犬は数件来ます。
土地柄、フィラリア予防をしない犬の飼い主様がまだまだ多いようです。
(当院に来院していただけたフィラリアを予防していない犬の飼い主様には、丁寧に説明して、費用のあまりかからない方法で水際で食い止めるプランを提供しております)
そのため、フィラリアを持った蚊も必然的に多い地域と思われます。
よって、ネコにも感染する機会が多くなっているものと思われます。
どうにかできることは、どうにかします。
ただ、どうすることもできない状況はあります。
少なくとも命に関わる病気が予防できるなら、未然に防ぐ方が安全ではないでしょうか。
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